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ひざと腰の健康トレーニング

今から備えたい、足腰の老化予防

若いうちの運動能力の個人差はさほど大きくありません。しかし、70代、80代になると、立つ、歩く、走るなどの能力は人によって大きく違ってきま す。骨や筋肉、関節といった「運動器」の老化の度合いにはそれほど個人差があり、その差は運動習慣のある・なしなど、日頃の生活習慣が関わっているといわ れます。特に、歩く動作を支える足腰の機能は自立した生活に不可欠なもの。これからも元気に活動するために、運動器の健康について考えてみましょう。


推定4,700万人? ロコモティブシンドローム

2007年に生まれた新しい概念「ロコモティブシンドローム」(ロコモ)とは、運動器の機能が低下し、要介護や寝たきりになっていたり、その危険性 が高まっている状態のことを指します。バランス感覚や筋力は年齢とともに衰えるので、誰もがロコモになる可能性を持っており、高齢社会の日本では、予備群 を含めて推定約4,700万人といわれています。まず自分の足腰の状態を把握し、適切なトレーニングで、ロコモの予防・対策を行いましょう。


……骨や関節の若さを保つために……
●歩くだけでは不十分?
歩く習慣は心身の健康に良いことですが、「歩く」動作を支える足腰の大きな筋肉は、散歩や軽いウォーキングだけでは鍛えにくいので、スクワットなどの筋力トレーニングも取り入れましょう。下記のトレーニングを参考にしてください。
●痛みを放っておかないで
ひざや腰に痛みがある場合は、早いうちに適切な処置や指導を受けることが痛みの改善、機能の回復につながります。痛みが続く場合は、お近くの整形外科にかかりましょう。


こんな生活は足腰の寿命を縮める?

◆運動不足
□ 1日中家で過ごすことが多い
□ 移動は車が中心
□ 若い頃から運動の習慣がない
◆骨や関節、筋肉の症状
□ ひざや腰に痛みなどの症状がある
□ 骨粗しょう症と診断された
骨や関節、筋肉は、年齢とともに変化します。健康度を正しく把握するため、下のロコチェックをやってみましょう。


◆ロコチェック

歩く能力が衰えていないかをチェックして、ロコモティブシンドローム(左記参照)の予防・対策に備えましょう。
※無理に試すと転倒や骨折につながることもあるため注意してください。実際には行わず毎日の生活を思い出しながらチェックしましょう。
□ 片脚立ちで靴下がはけない
□ 家の中でつまずいたり、滑ったりする
□ 横断歩道を青信号で渡りきれない
□ 階段を上るのに手すりが必要
□ 15分くらい続けて歩けない
□ 2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難
□ 布団の上げ下ろしなどが困難
あてはまる項目があったら、ロコモティブシンドロームの可能性があります。ぜひ一度、整形外科にかかりましょう。


1日2種類でOK ひざや腰に効く“ロコトレ”

ロコモティブシンドロームの予防・改善のために考えられたトレーニングです。
年齢とともに衰えがちな、「バランスを取る能力」「下半身の大きな筋肉」を鍛えます。下の2種類を毎日行いましょう。


◆開眼片脚立ち

「筋力のバランス」のためのトレーニングです。転倒しないよう、机やイスなどに手の届く場所で行いましょう。

(1)机やイスなどに手の届く場所に立ちます。
(2)床に着かない程度に片足を上げます。
床に着いている方の足で踏ん張って、片脚でバランスを取っていることを意識して行いましょう。
*転びそうになったら足を着いても大丈夫です。1分間、足を上げ続けることを目標に行います。左右1分間ずつ、1日3回行いましょう。

◇この動きが難しい方、支えが必要な方は、机に指や手をついて行います。転倒の危険があるため、見てくれる方と一緒に行ってください。
・机に両手をつき、床に着かない程度に片足を上げます。
・指をつくだけでできる方は、机に両手の指をついて行います。


◆スクワット

「足腰の大きな筋肉」のためのトレーニングです。安全のためにイスやソファーなどの前で行いましょう。

(1)両脚をやや外側に開いて立ちます。
(2)(3)イスや洋式トイレに座る要領でお尻をゆっくり下ろします。
ひざがつま先から出ないようにすることと、足の指の方向にひざを曲げるのがポイントです。ひざは曲がっても90度を超えないようにします。
(4)ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
深呼吸するペースで5~6回繰り返し、これを1日3回以上行いましょう。

◇支えが必要な人は、体の前に机を置き、机に手をついて行いましょう。

●2つのトレーニングは、ひざや腰の痛みがある方でもできるように考案されていますが、治療中の方は必ず医師の指示に従って行ってください。


足腰をいたわるためのQ&A

Q:ひざが痛むときに気をつけることは?
A:普段の生活で、ひざに負担がかかっていないか、見直してみましょう。無理は禁物、痛いと思うことは避けましょう。
・太らないようにする
・重いものを持ち運ばないようにする
・正座やひざを深く曲げての作業を避け、イスやベッド、洋式トイレを使う
・階段では手すりを、歩くときはつえなどを使い、関節の負担を軽くする
・関節の動く範囲が狭まらないようにストレッチやひざの曲げ伸ばしを行う
・太ももの筋肉が弱らないように筋力トレーニングを行う

Q:減ってしまった軟骨は元に戻る?
A:関節軟骨は、老化によりすり減ったり、もろくなり、痛みや炎症などが起こります。関節軟骨を元の状態に戻すことは難しいとされていますが、周りの筋肉 を鍛えることで、関節にかかる衝撃を緩和できます。筋力は何歳になっても強化することが可能です。治療中の方は医師の指示を仰ぎながら、運動を行いましょ う。

Q:将来に備えて運動するなら?
A:以前に慣れ親しんだスポーツがあれば、再開してみるのもよいでしょう。運動が初めての場合は、太極拳など、ゆっくりとした動きで足腰の筋肉に負荷をか ける運動、水の抵抗で筋肉に負荷をかける水中運動(※)などが適しています。痛みがある場合は、無理をしないようにしましょう。
※骨や神経の障害、内臓の病気から起こる腰痛など、水中運動に向かない症状もあります。治療中の方は、医師の指示を仰ぎ、それに従ってください。


◇もっと快適に歩くには?

ひざを痛めるのが心配で運動不足になると、肥満や筋肉の衰えが起こりやすく、ひざのトラブルにつながるという悪循環に陥ります。ひざを守るためのシューズやサポーターを利用して、体を積極的に動かしましょう。

□買う前に、サイズをチェック
サポーターはサイズ選びが大事。合わないサイズのものを使うと、本来の効果を得にくくなります。「洋服がLサイズだから」「脚が細いから」と決めつけず に、自分の脚のサイズを測り、商品のパッケージに書かれているサイズと照らし合わせましょう。同じLサイズでも、メーカーによって規格が異なるので、商品 ごとに確かめることも必要です。

<取材協力>
名戸ヶ谷病院整形外科部長 日本ロコモティブシンドローム研究会委員長 大江隆史先生
<参考文献>
(書籍)
『新国民病 ロコモティブシンドローム 長寿社会は警告する』(中村耕三著/日本放送出版協会)
『きょうの健康』2010年4月号「あなたの骨・関節は大丈夫?」(日本放送出版協会)
『ここが聞きたい! 名医にQ ロコモティブシンドローム』(日本放送出版協会)
(論文)
大江隆史「ロコモティブシンドロームとは」Modern Physician Vol.30 no.4 2010、「特集・ロコモティブシンドローム」治療学 vol.44 no.7 2010、「ロコモーショントレーニング」THE BONE Vol.24 no.1 2010 
 
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