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からだと水

体は水でできている「水クイズ」

Q1:成人の体の中で、水の占める割合はどのくらいでしょう?
(A)1~2割程度  (B)5~7割  (C)9割以上

Q2:人の生命が誕生した場所は?
(A)海  (B)地底  (C)空気中

Q3:体の中で水を蓄えておく場所はどこでしょう?
(A)胃  (B)筋肉  (C)骨

Q4:私たちが1日に摂取しているとされる水の量は?
(A)約0.5リットル  (B)約1リットル  (C)約2.5リットル

意外と知らない体と水の関係。4問中何問わかりましたか?
答えは、ページ末尾にあります。
 
 

体に必要な水は、1日に約2.5リットル

暑いと汗をかき、汗をかくと喉が渇く…、体は出ていく水と入る水のバランスを取りながら、体の働きを保っています。それぞれの量を、下の図で見てみましょう。(*コップ1杯=200mlとして計算しています。)

体に入る水

【食べものから摂る水】…約850ml(コップ4杯強)
野菜や果物、煮物やスープ。多くの食材、料理には水が含まれており、食事だけでも水分を摂取しています。特に夏は、きゅうりやすいかなど水分の多い野菜が出回っています。

【体内で作られる水】…約340ml(コップ1杯半強)
たんぱく質や炭水化物、脂肪などが燃えることで、水が作られ、体内で使われます。唾液や胃液などに含まれる水分は腎臓で老廃物を取り除いたあと、体内で再利用されています。

【飲む水】…約1,300ml(コップ6杯半強)
飲み水としての水分摂取も欠かせません。暑い日や、スポーツ時、新陳代謝が活発な小さなお子さまは、汗をかいて多くの水分が出ていくため、さらに多くの水が必要です。
 
 
 

出ていく水

【排泄される水】…約1,600ml(コップ8杯)
摂取した水は、体内の老廃物などを溶かしながら、尿や便などで排泄されます。余分な塩分や尿酸など、病気の原因となる成分も水と一緒に体の中から出ていきます。

【呼吸で使われる水】…約400ml(コップ2杯)
呼吸は活動のエネルギーとなる酸素を取り込み、二酸化炭素を放出する体の働き。1分間に15~20回呼吸しているといわれ(成人の場合、静止時)、呼気に水が含まれています。

【汗として出る水、蒸発する水】…約500ml(コップ2杯半) ※夏は10倍~20倍に!
夏は汗の量が増えるだけでなく、汗をかかなくても皮膚から水分が蒸発しており、寝ている間にもどんどん水分が失われています。いつも以上に水を飲むことを意識しましょう。
 
 
 


もっと体に役立つ水の飲み方

毎日何気なく飲んでいる水。病気予防や美容に、「水」をもっと活用してみませんか。 
 
 
 
 

熱中症予防

【家の中、寝る前も忘れずに】
体内の水分が不足することから起こる、脱水症状。屋外だけでなく部屋の中 でも起こります。特に高齢の方は、喉が渇くなど水分不足のサインが現れにくくなるので、周りの方が気をつけてあげましょう。寝る前はトイレの回数が増える からと水分摂取を控えがちですが、睡眠中も蒸発・発汗しているため、コップ1杯の水を飲むとよいでしょう。

【水+塩分で体を守りましょう】
体液の成分には塩分が含まれています。たくさん汗をかくと、水分と一緒 に塩分などのミネラルも失われることになり、体の働きに影響を及ぼします。もし、脱水による頭痛やめまいなどの症状が出た場合は、水だけを飲むのではな く、スポーツドリンクや塩を少し入れた水(水200mlに対し0.2~0.6g程度、砂糖も5g程度入れると吸収がよくなります)で、水と塩分を摂取する ようにしましょう。 
 

血管の病気予防

【ドロドロ血液を水で予防】
体内の水分が不足すると、血液がドロドロになっていきます。脱水状態がさらに進むと、脳梗塞や心筋梗塞など、生命にかかわる症状が起こることもあります。寝る前や、喉が渇いていないときでも、こまめに水を飲むように心がけましょう。

【血液ドロドロを予防する水の飲み方】
□寝る前に飲む
□起床時に飲む
□スポーツの前・中・後に飲む
□入浴の前後に飲む
□長距離移動中に飲む
□高齢者は、喉が渇く前に飲む 
 

○ダイエット
【ダイエット中こそ水分補給】
水を飲むと太るというのは大きな間違い。水にはエネルギーがなく、直接太 る原因にはなりません。体重が増えるからと水を控えるのは脱水状態につながりやすく危険です。むくみが気になる場合は、利尿作用があるとされる硬度の高い 水を選ぶとよいでしょう。(硬度については下記「もっとおいしい 水の使い方」をご覧ください。)
 
 
○アルコール対策
【お酒は脱水状態の原因に?】
お酒も液体ですが、水分補給にはなりません。100mlのビールを飲むと 120mlの水が排泄されるといわれ、かえって水分不足に。お酒を飲むとき、飲んだあとは、多めに水を飲みましょう。また、屋外での活動、ゴルフのプレー 中など汗をかいたあとにビールを飲むといった行為は脱水状態につながりますから注意してください。
 
 
○飲むスキンケア
【年齢とともに不足する水を補う】
しっとりした肌は、皮膚の角質層に水分が保たれている状態。角質層の 水分は年齢とともに減る傾向があるので、水を十分に飲んで体の中から乾燥を防ぎ、細胞の老化を予防しましょう。化粧品で外から水分を補う場合は、水そのも のではなく、グリセリンや尿素などの「保湿成分」が入ったものを使うことがポイントです。
 
 
○禁煙
【「ちょっと一服」の代わりに】
禁煙を始めて、集中力の低下、イライラといったニコチンの禁断症状を経 験した方は多いのではないでしょうか。ニコチン依存を克服するには、タバコに代わるものが必要です。そこで新しい習慣としておすすめするのが水です。口さ びしいとき、食後など、タバコを吸いたくなったときは、一杯の水を飲んで心を落ち着かせましょう。
 
 

もっとおいしい水の使い方

ミネラルウォーターには硬水と軟水がある
毎日飲む水は、自分の体に合うものを選びたいもの。基準は、自分が「おいしい」と思えるかどうかです。市販のミネラルウォーターを買うときは、カルシウムとマグネシウムの量で決まる「硬度」がひとつのめやすとなります。 
 
 
 
 

自宅でもできる おいしい水

水道水の塩素を除去するために浄水器などを使う場合は、カートリッジを定期的に交換しましょう。次のような方法もおすすめです。

【炭で塩素を除去】
木炭の持つ脱臭作用を利用して、水の塩素臭を取り除く方法です。水が入ったポットに、ガーゼで包んだ木炭を入れ、数時間置きます。木炭はときどき日に当てて消毒すると、繰り返し使えます。

【冷凍庫で作る雪どけ水】
植物の生長を促進させる、若返りによいなどと伝えられる雪どけ水。同じような 水「氷結水」を冷凍庫で作ってみましょう。大きめの容器に水道水を入れ、冷凍庫で半分凍らせたら、真ん中を割って凍っていない水を捨てます。先に凍るとこ ろは、不純物を含まず透明です。この氷を溶かして水に戻してできあがりです。
 
 

からだと水こぼれ話

【よい汗と悪い汗】
スポーツなど楽しんでかく汗は「サラサラ汗」で、流れ出るのは主に塩分。ところが同 じスポーツでも辛いと感じながら流れる汗、冷や汗や脂汗のように精神的に追い詰められたときの汗は「ドロドロ汗」。汗と同時に多くの塩分以外のミネラル分 も流れ出てしまいます。ストレスの多いとき、忙しいときほど、バランスのよい食事で栄養に気をつけましょう。

冒頭の水クイズの答え

Q1:(B)5~7割…新生児は約9割が水。年齢とともに水の割合は減少します。
Q2:(A)海…植物も動物も、地球上の生命は海から生まれたといわれています。
Q3:(B)筋肉…筋肉の少ない高齢者や女性はより積極的に水を飲むことがすすめられています。
Q4:(C)約2.5リットル…水を摂取し、外に出す仕組みが体の働きを保ちます。

<取材協力>
東京医科歯科大学 名誉教授 藤田紘一郎先生

<参考文献>
『水と健康ハンドブック』(水と健康医学研究会監修/日本医事新報社)
『水の健康学』(藤田紘一郎著/新潮社)
『水と体の健康学』(藤田紘一郎著/ソフトバンククリエイティブ)
『万病を防ぐ「水」の飲み方・選び方』(藤田紘一郎著/講談社)
『きょうの健康』2000年8月号(日本放送出版協会) 
 
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体のゆがみに骨盤体操

体のゆがみをチェック

こんな傾向があったら、体がゆがんでいるかもしれません

□靴の減り方が左右で違う
□いつも脚を組む
□座っていると、脚の間が開く
□バッグを持つ手はいつも同じ
 
 

全身の緊張をほぐし、ゆがみと不調をリセット

つい片側に重心をかけていたり、背骨が曲がってしまうなど、私たちはみな、それぞれ動きのくせを持っており、それが“ゆがみ”につながります。ゆが みをそのままにしておくと、姿勢が悪くなって、筋肉の使い方のバランスが崩れたり、血行不良によって体が冷え、肩こりや内臓機能の低下などが起こりやすく なってしまいます。そこでおすすめしたいのが「骨盤体操」。全身の骨の中でも、大きな位置を占める骨盤を動かすことで体のゆがみをリセット。ゆがみから来 る不調の解消に大きな効果が期待できます。1日10~15分程度、骨盤体操を取り入れてみませんか。 
 

まずは、自分の骨盤のゆがみタイプをチェック

骨盤のゆがみタイプは大きく3つ。次のポーズの中で、やりにくいポーズ、左右や上下で動かしやすさが違うポーズがあったら、それがあなたのゆがみタイプです。脚を腰幅に開いて立ってやってみましょう。

※転ばないように、つかまるところがある場所で行ってください。
 
 

腰を左右にひねる

両手の指先を胸の前で合わせ、ゆっくりと右にひねって一度正面に。同様に左にひねります。
やりにくい場合は…【ねじれタイプ】
骨盤が左右にねじれている傾向。腰痛、ひざ痛などの不調が起こりやすいとされています。 
 

体を左右に倒す

手を太ももにつけ、上体を真横に倒します。一度まっすぐの姿勢に戻したあと、反対側も倒します。
やりにくい場合は…【高さ違いタイプ】
骨盤が左右どちらかに下がっている傾向。肩こりや胃の不調が起こりやすいといわれます。 
 

体を前後に倒す

腕の力を抜いて上体を前へ。一度立った状態に戻したあと、腕を上げて、ひざを曲げずに後ろに倒します。
やりにくい場合は…【前後傾きタイプ】
重心が前か後ろどちらかに偏っている傾向。頭痛や目の疲れが起こりやすいといわれます。 
 
 

1日10分でOK かんたん骨盤体操

表紙の「ゆがみタイプ」別に、【日中編】【寝る前編】2種類のポーズをご紹介します。
「ゆがみタイプ」がどれなのか迷った場合も、まずは1つに決めてやってみましょう。

【日中編】
立った状態で行うポーズ。仕事や家事の合間などにやってみましょう。1回3分でできます。
【寝る前編】
布団やベッドの上でできるポーズ。入浴後や寝る前の習慣におすすめです。
 
 

ねじれタイプ

左右の骨盤がねじれていると、骨盤内の臓器に負担がかかり、泌尿器系のトラブルが起こりやすくなるといわれます。ねじれをリセットすることで、こうしたトラブルや、腰痛や下半身のむくみなどの解消が期待できます。

【日中編】



(1)胸の前で手のひらを合わせ、合掌のポーズをし、手のひら同士で押し合います。腕が床に対して平行になるようにしましょう。
(2)足をクロスし、ひねりやすい方向に、思い切り上半身をねじります。ねじるときに息を吸い、6秒数えたら、さらにもうひとひねりしてから、息を吐き、一気に力を抜きます。


【寝る前編】
(1)仰向けになり、肩幅くらいに脚を開き、ねじりやすい方向の脚を外側に曲げて、足首をつかみます。




(2)息を吸って、足首をつかんだ方向に上体をねじります。空いている手を反対側の腰に回し、6秒キープ。




(3)一気に息を吐き、全身の力を抜いてリラックスします。
 
 



高さ違いタイプ

骨盤の左が下がっている人は胃腸が丈夫で食べ過ぎの傾向が、右が下がっている人は冷えやのぼせが起こりやすいといわれます。骨盤の高さが左右で違うと、頭もどちらかに傾いています。体操で調整しましょう。

【日中編】
左右どちらか、より倒しやすい方向へ、息を吸いながらゆっくりと体を倒し、限界に来たところで6秒キープ。息を吐いて一気に力を抜いて元の姿勢に戻ります。





【骨盤は体の中心】
骨 盤は、寛骨(腸骨、坐骨、恥骨)と、脊椎(仙骨、尾骨)からできており、体の中心で上半身と下半身を支える部分。内臓を保護する、女性の場合は胎児を支え るなどの役割もあります。全身に連なる骨の中心であるため、ゆがみやズレは体のさまざまな機能に影響を及ぼすといわれています。






【寝る前編】

(1)仰向けになり、肩幅よりも広めに脚を開き、倒しやすい方向の脚を外側に曲げて足首を軽く持ちます。




(2)息を吸って、足首を手で引っ張るように引き上げ、6秒キープします。




(3)一気に息を吐き、リラックスしましょう。 
 

前後傾きタイプ

つま先に重心があり、あごを引いて立つのが前に傾くタイプ。かかとに重心があり、うなだれた印象を与えてしまうのが後ろに傾くタイプ。どちらも背中の筋肉が過度に緊張しています。傾きを調整し、リラックスした姿勢を作りましょう。

【日中編】



(1)前に倒しにくい人は手のひらを下に、後ろに倒しにくい人は手のひらを上に向けて両手を組み、上に伸ばします。
(2)息を吸って、そのまま思い切り背伸びをします。6秒キープし、もう一度背を伸ばしてから息を吐き、一気に力を抜きます。


【寝る前編】
(1)仰向けになり、肩幅よりも広めに脚を開き、両腕は手のひらを上にして開きます。




(2)大きく息を吸いながらつま先を立て、かかとを押し出すようにして脚の裏側を伸ばします。両手は親指を突き出すようにして伸ばします。伸ばした状態で6秒キープ。




(3)一気に息を吐き、全身の力を抜いてリラックスします。
 
 

ゆがみを防ぐ歩き方とは?

前傾姿勢で歩く、脚を組んで座るなど、意識せずに行う体のくせは、ゆがみの原因となります。しかし、「正しい歩き方」「正しい座り方」のフォームを 見真似で行っても、どこか力が入りませんか? これも、体をゆがませる原因になります。歩き方や座り方を整えるなら、動作の前に骨盤体操で重心のズレをリセットする方が早道。体のクセがリセットされれ ば、自然と歩き方や座り方が変わってきます。

<取材協力>
アピア均整院 松岡博子先生

<参考文献>
『ラクちん 骨盤・背骨のゆがみ直し健康法』(松岡博子著/PHP研究所)
『からだ想いさんの1分間「骨盤ゆがみとり」体操』(松岡博子著/アスペクト) 
 
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健康診断を活用しよう

自分の健康状態、把握できていますか?

「昔から健康が取り柄。どこにも症状がないから、大丈夫!」
「仕事を辞めてから、健康診断はすっかりご無沙汰に。」
「運動不足のせいか、最近太ってきたな…。」
「何か見つかると嫌だから、何年も健康診断に行っていません。」

→あてはまる方は、体に変化がないか調べてみませんか?
手がかりは、体重や血圧、血糖値などの数値です。

健康を数字で見てみると…

基準値とは?…健康診断に使われる「基準値」は1つのめやすです。
検査を実施する施設によって値が異なったり、随時改訂されることがあります。
【BMI】 [基準値]18.5以上25未満
【体脂肪率】 [基準値]男性:15以上20未満 女性:20以上25未満


〈肥満度、脂肪の割合を判定〉
BMIは適正体重を知る手段として使われる体格指数(Body Mass Index)。
BMI=体重(kg)÷身長(m)の2乗
BMIが基準値内でも、お腹周りに内臓脂肪が蓄積した「かくれ肥満」の場合もあります。20歳の頃と比べて10kg以上体重が増えた方も要注意。体重のうち体脂肪がどのくらいかを示す体脂肪率もあわせてチェックしましょう。
・・・・・

【中性脂肪(TG・トリグリセライド)】 [基準値]150mg/dL未満

〈動脈硬化の傾向をチェック〉
血液中の脂質を表す数値の1つで、動脈硬化の傾向を知るほか、脂質異常症の診断に使われます。中性脂肪は体を動かすエネルギーですが、食べ過ぎ・飲み過ぎ・運動不足などで余った分が多くなると皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられ、数値が高くなります。
・・・・・

【血圧】 [基準値(若年・中年者)]最高血圧:130mmHg未満 最低血圧:85mmHg未満
※年齢や合併症の有無によって基準が異なります。


〈高血圧傾向をチェック〉
心臓から送り出された血液が、血管(動脈)の壁を押す力を血圧といいます。心臓が収縮しているときの血圧である最高血圧(収縮期血圧)と、心臓が広がっているときの血圧である最低血圧(拡張期血圧)の両方を測定します。
・・・・・

【血糖値(空腹時血糖)】 [基準値]110mg/dL未満
〈糖尿病の可能性をチェック〉
血 液中のブドウ糖の濃度を表した値。ブドウ糖は体のエネルギー源ですが、遺伝や生活習慣の乱れにより、うまく代謝されなくなると、血液中に溜まります。これ が血糖値の高い状態。血糖値は食事や運動により変動し、一般的な健康診断の検査では空腹時血糖(早朝空腹時の血糖値)を測定します。このほか赤血球の成分 であるヘモグロビンとブドウ糖が結合したHbA1c(基準値4.3~5.8%)では過去1~2カ月の血糖の状態がわかります。
・・・・・

【AST(GOT)】 [基準値]10~30IU/L
【ALT(GPT)】 [基準値]0~35IU/L


〈“沈黙の臓器”肝臓をチェック〉
どちらも肝細胞に多く含まれている酵素で、肝臓に障害があると血液中に流れ出るため、値が上昇します。急性・慢性肝炎、アルコール性肝炎、脂肪肝などの肝臓障害のほか、胆道系の疾患、心筋梗塞などでも上昇するとされ、これらの病気の可能性を知る手がかりとなっています。

数字が教えてくれる、体の変化

今、日本人に増えている病気は糖尿病や高血圧、脂質異常症など。栄養の偏りや運動不足、喫煙・飲酒などが大きな原因であることから、生活習慣病と呼 ばれます。これらの病気は、初期には自覚症状が現れないため、知らぬ間に病気が進行しているケースも多いのです。しかし、病気になる手前で可能性や傾向を 知れば、予防が可能です。定期的な健康診断、自宅での血圧測定などで、健康状態をチェックし、自分の体を自分で守りましょう。

健康診断 三段活用

健康診断の目的は、病気に至る前の段階で生活習慣を改善し予防すること。
日本には公的な健診制度があり、少ない自己負担額で健康診断が受けられます。健康維持のために、ぜひ活用しましょう。

一、健康診断に行く

職場で健診を受けない方は、誕生日など日にちを決めるなどして、健康診断を利用してみてはいかがでしょうか。年に一度であれば、大きく結果が変動することが少ないので安心して受けられます。

【メタボ予防に特定健診】
40~74歳を対象とした、メタボリックシンドローム予防・改善のための健康診断です。結果によって、生活習慣改善の情報提供、保健指導などを受けることができます。自治体の保健所や提携医療機関などで行っています。

【年齢や性別に合わせて検診を】
血糖値や血圧検査などの健康診断のほか、がん検診、骨密度検査などもあわせて受けておくと安心です。こうした検診も自治体で実施されているので、ぜひ利用しましょう。
〈検診の例〉
○便潜血…日本で増えてきている大腸がんの検診。
○子宮頸がん検診、乳がん検診…子宮頸がんは20代、乳がんは40代から増えています。
○腹部超音波…脂肪肝や、膵臓がんなど、お腹の臓器を検診。
○骨密度検査…骨がもろくなっていないか調べます。骨粗しょう症の予防に。

二、検査値を読む

健康診断の基本項目には、普段の生活、現在の健康状態がわかる情報が詰まっています。基準値の範囲かどうかだけでなく、去年と比べて変化はないかを見てみましょう。

【血圧も血糖値も、少し高い程度なら平気かな? 】
血圧、血糖値、LDLコレステロール、中性脂肪、BMIなど、生活習慣病にかかわる項目で、複数の数値が基準値外の場合、1つずつの数値は高くなくても、病気のリスクが高いとされます。「このくらいなら…」と自己判断せず、医師に相談し、改善につとめましょう。

【動脈硬化って、シニア世代の症状ですよね?】
心筋梗塞や脳梗塞など、重篤な疾患の原因となる動脈硬化。男性は30代頃から、女性は閉経後から起こりやすくなるといわれます。血圧や、LDL/HDLコレステロール、中性脂肪に変化が起きていないか見てみましょう。

【いつも貧血といわれます】
貧血の原因はさまざま。極端なダイエットによる栄養不足で起こる場合もあれば、病気によって体内で出血が起こっているケースもあります。「いつも言われるから…」と流さずに、医師に相談して原因を探ってみることも大切です。

【運動しているのに、体重が減らなくてがっかり】
運動の効果は、必ずしも体重では測れないもの。軽い運動や短時間の運動でも、体の中では脂肪が燃焼し、筋肉が増えるといった変化が起きていますから、ぜひ続けましょう。体重だけでなく体脂肪率もチェックしてみましょう。
【LDL、HDLってどう違うの?】
どちらも血液中の脂質ですが、LDLコレステロールは悪玉コレステロールとも呼ばれ、増え過ぎると動脈硬化を招くといわれます。HDLコレステロールは善玉コレステロールと呼ばれ、動脈硬化の進行を予防する働きがあるため、不足していないかを調べます。

〈それぞれの値に注目しよう〉
LDLコレステロール(悪玉コレステロール)…基準値:140mg/dL未満
HDLコレステロール(善玉コレステロール)…基準値:40mg/dL以上

【今年もすべて異常なし!】
すべての項目が基準値の範囲内であっても、昨年、一昨年と比べて変化している箇所はないか、念のためチェックしてください。数値が安定していたら、これからも健康維持につとめてください。異常がなくても何か症状があった場合は医療機関にかかりましょう。


生活改善のヒント〜体にやさしい生活を〜

血糖値、血圧、コレステロールなどの数値には普段の生活が大きくかかわっています。健康診断をきっかけに、睡眠不足や喫煙、食事内容などを見直してみませんか?

【食べる対策:野菜料理をもう一品】
飽食の時代ですが、不足しているといわれているのが野菜。毎日もう一品、旬の野菜料理を追加しましょう。また、夜遅くの食事やお酒を控え、塩分・脂肪分の多いメニュー、お菓子の食べ過ぎに注意しましょう。

【ストレス対策:発散方法を見直す】
ストレス解消は大切ですが、はけ口として食・酒・タバコなどに走るとさらに体に負担をかけることになります。人との会話、スポーツ、趣味など、体にやさしいストレス解消法を見つけてください。

【運動対策:“ながら運動”“すきま運動”を】
運動の時間を設けるのが難しい場合は、テレビを見るときに、太ももやふくらはぎの筋肉を意識しながら脚を上げる・エスカレーターではなく階段を使うなど、仕事や家事の合間に体を動かしましょう。


三、薬局で相談

健康診断は受けて終わりではなく、結果を保管し経過を見て生活習慣を振り返ることが大切です。

【健診結果を生かすには】
健康診断の結果には、ほかにもさまざまな情報が含まれています。異常が見つかった項目は放置せず、医師にご相談ください。また、異常がないけれども気になる点、前記以外の検査値の意味、生活の中で気をつける点などは、薬剤師がご相談に応じます。お気軽におたずねください。

<取材協力>
取材協力 聖路加国際病院付属クリニック・予防医療センター 河北俊子先生

<参考文献>
(書籍)
『ひと目でわかる! 健康診断』(船津和夫監修/小学館)
『病気がわかる からだのビジュアル百科』(小学館)
『きょうの健康』2009年1月号「活用しよう! 健康診断」2010年5月号「知って得する“健診”活用法」(日本放送出版協会)
『NHKここが聞きたい! 名医にQ ひざの痛み』(日本放送出版協会)
(Webサイト)
Medical Tribune(www.medical-tribune.co.jp)
日本医師会HP(www.med.or.jp)
e-ヘルスネット(www.e-healthnet.mhlw.go.jp)

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春の紫外線とスキンケア

●春から増える紫外線

紫外線の量は、冬から春にかけて増加し、4~9月の間に1年間の紫外線量のおよそ70~80%が降り注ぐといわれます。また、その量は年々増えているといわれ、日常生活でも紫外線対策がすすめられています。暑くないからと油断せず、今の時期から準備しましょう。 
 
 

●10年後を左右する紫外線

紫外線の影響は単に肌が赤くなる「日焼け」だけではありません。紫外線ダメージが皮膚の奥で蓄積し、肌の老化や、目の病気などを引き起こすことがわかっています。若々しい肌、健康な体を保つため、無防備に紫外線を浴び過ぎないようにしましょう。

【急性】紫外線を浴びることで、すぐに現れる症状
・日焼け 
・雪目<※1> 
・免疫機能低下

【慢性】浴び続けることでダメージが蓄積し、現れる症状
・光老化(しわ、たるみ、しみ など)
・皮膚の病気(良性腫瘍、皮膚がん など)
・目の病気(白内障、翼状片<※2> など)

※1…スキーや雪山登山、海などで強い紫外線に当たることで、角膜の表面に細かい傷がつき、ごろつきや痛みが起こります。
※2…白目の表面を覆っている結膜が、目頭の方から黒目に三角形状に入り込む病気。症状が進むと視力障害をきたします。 
 

◇こんな人は特に注意◇

【日に当たると赤くなる人、皮膚が弱い人】
紫外線に対する抵抗力がもともと低く、影響を受けやすいといえます。外出のときは日焼け止めや帽子などを忘れずに。

【ストレスを感じている人】
ストレスは全身の免疫機能を低下させるため、紫外線の影響を受けやすくなります。対策として、ビタミンCの摂取がおすすめです。 
 

あなたの紫外線対策度はどれくらい?

□外にいる時間が長いが、対策は何もしていない
□小麦色の肌を目指して積極的に日焼けしている
→【ビギナーコース】

□海やゴルフに行くときだけ日焼け止めを使う
□肌にやさしい日焼け止めを使いたい
□髪の日焼けを予防したい
→【ヘルスケアコース】

□老化予防のため、紫外線対策は1年中欠かさない
□しみ予防や美白対策もしている
→【アンチエイジングコース】 
 

これまで何もしていない 【ビギナーコース】

今まで影響を感じていなくても、紫外線ダメージは確実に蓄積しています。特に、農業、漁業、土木・建築工事などに携わる方、屋外の作業が多い方は紫外線対策をおすすめします。
 
 
 

日焼け止めの知識を確認 【ヘルスケアコース】

太陽を浴びることは、体内でビタミンDを合成するなどの健康作用もあります。太陽と上手につきあうためにも、日焼け対策グッズを用意しておきましょう。

◇肌にやさしい 日焼け止めの選び方◇
紫外線対策に欠かせないのが日焼け止め。製品に表示されている数値や成分をめやすに、自分に合った品を選びましょう。

■効果の高さで使い分けよう

−−−日焼け止めの効果を表す数値−−−
【SPF(Sun Protection Factor)】
皮膚の色を黒くし、しみや皮膚がんなどの原因となるUV-Bを防ぐ効果を示す値です。
【PA(Protection grade of UV-A)】
皮膚の深部で蓄積し、たるみ、しわなどの「光老化」を引き起こすUV-Aを防ぐ効果を示す値です。

2 つの数値が高いほど、紫外線カット効果が大きくなりますが、同時に肌への負担も大きくなります。日常的に使うなら、SPF5~20のものでも十分といえる でしょう。レジャーなどで数値の高い日焼け止めを使ったときは、商品の説明書きに従って皮膚に残らないように落としましょう。



■さらに、成分にも着目

日焼け止めに使われる紫外線カット成分には「紫外線吸収剤」と「紫外線 散乱剤」があります。このうち、まれにかぶれの原因となる「紫外線吸収剤」を使わず、光を反射させて肌を守る「紫外線散乱剤」を使ったものはノンケミカル といい、肌への負担が少ないとされています。敏感肌の方や小さなお子さまにおすすめです。

■日焼け止め+αでもっと安心

日焼け止めは2~3時間ごとに塗り直すのが理想的ですが、なかな か難しいもの。日焼け止めだけに頼らず、帽子や日傘など複数の対策で肌を守りましょう。なお、固形のパウダーファンデーションには、紫外線を反射させる成 分が含まれています。日焼け止めの上から重ねづけするのもよいでしょう。

■塗り忘れていませんか?

→首の後ろや腕・脚の裏側
見落としがちなのは腕の裏側やひざの裏側、首の後ろなどです。紫外線は、上空からだけでなく、地面や建物、木、そして空中のちり・ほこりなどに反射してあらゆる方向から降り注いでいます。肌を露出する部分にはまんべんなく塗るようにしましょう。

→髪や唇
髪は、紫外線を浴び続けることでパサつきなどが起こりやすくなるので、帽子などをかぶりましょう。また、皮膚の薄い唇は急に強い紫外線が当たることで、口唇ヘルペスなどが起こりやすくなります。UVカット効果のあるリップクリームなどを利用しましょう。
 
 

できるだけ老化予防したい 【アンチエイジングコース】

紫外線は、肌を老化させる大きな原因ですが、老化の要因はほかにもあります。毎日の食事や化粧品にも目を向けてみましょう。

■栄養はつけるのではなく食べる

美肌のための栄養は、化粧品などで肌につけるよりも、食品で摂 取するほうが効果的。なぜなら皮膚は本来、体の外にある異物から体を守るためのもので、栄養を摂取する部位ではないからです。栄養が偏らないようバランス のよい食生活を心がけ、肌本来の役割であるバリア機能(乾燥やアレルギーを引き起こす異物から肌を守る、肌が本来持っている機能)を高める生活習慣を心が けましょう。



■化粧品を使い過ぎていませんか

肌に悩みがあると化粧品をあれこれ使いたくなりますが、化粧品 の使い過ぎには注意が必要です。その理由は、多くの化粧品に含まれる合成界面活性剤。合成界面活性剤は、化学物質を皮膚に浸透しやすくする働きがあり、バ リア機能が低下し、乾燥やアレルギーなどの肌トラブルが起こりやすくなるといわれます。

■イメージより成分に目を向けよう

化粧品は、肌の機能を補うもの。肌に負担のかかりにくい化粧 品を、適量利用しましょう。一般的に、表示成分が少ないもののほうが肌への負担は少ないといえます。食べ物の栄養素を気にするように、化粧品の成分にも目 を向けてみると、価格やイメージに惑わされることなく、自分に合った化粧品が見つかるはずです。

■美肌への道は生活習慣から

このほか、肌の老化予防のために気をつけたいのは、睡眠不足、運動 不足、喫煙です。肌細胞は、寝ているときに生まれ変わるため、肌荒れや老化予防、肌の免疫力向上に睡眠は不可欠。適度な運動は全身の血行をよくし、ストレ ス解消や眠りを深くするために役立ちます。また、タバコは肌の老化を早めることがわかっているので、禁煙をおすすめします。

<取材協力>
いづみ薬局 手塚幹子先生
<参考文献>
『自分で調べて採点できる化粧品毒性判定事典』(小澤王春著/メタモル出版)
『日本薬剤師会雑誌』第62巻第8号「紫外線吸収剤について」(日本薬剤師会)
『都薬雑誌』Vol.28-30「薬剤師からみた化粧品成分(手塚幹子)」(東京都薬剤師会)
『本当に正しい大人のスキンケア』(吉木伸子著/主婦と生活社)
『栄養素の通になる 第2版』(上西一弘著/女子栄養大学出版部) 
 
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