今年こそ禁煙しよう!
運動を習慣にするのは健康にとてもよい影響をもたらしますが、喫煙習慣があるとしたら、せっかくの運動効果は激減します。令和となって初めて迎える新年。今年こそ禁煙を実現させましょう
喫煙者で息切れしやすい人は受診を
喫煙の怖さは周知のとおりです。肺がんや喉頭がんだけでなく、ほとんどのがんの発生リスクを高めます。その影響はがんにとどまりません。喫煙は胃・十二指腸潰瘍、喘息、虚血性心疾患などとも関係があり、女性の場合では早産や自然流産の危険も増します。
特に、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の患者さんの8~9割は喫煙者で、肺がん以上にたばことの関係が深いといわれています。COPDになると、肺炎や肺がんなど命にかかわる病気を合併しやすいことがわかっています。COPDの代表的な症状は息切れです。喫煙歴があり、同世代の人と比べて、階段や坂道で息切れしやすいという場合は、年のせいなどと思わず、医療機関を受診しましょう。
子どもの健康への影響も
喫煙は子どもにも影響を与えます。たばこの煙を吸う環境にある子どもは、ニコチンの血中濃度が高いことがわかっています。また、喘息が治りにくかったり、突然死症候群や虫歯、中耳炎になりやすいことも報告されています。
もう一つ、子どもの誤飲事故で最も多いのがたばこであることも知っておきましょう。たばこを誤飲すると、急性ニコチン中毒を起こし、最悪の場合、死に至ることもあります。子どもの手の届くところにたばこや灰皿を置かない、飲料の空き缶などを灰皿代わりに使用しない、保護者など周囲の人が禁煙するなど、子どものいる環境からたばこを遠ざけることが重要です。
子どもがたばこを誤飲した場合は、指などで喉の奥を刺激して嘔吐させましょう。吐瀉物の中にタバコの葉が混じっている場合は、胃の洗浄などが必要になるので、すぐに医療機関を受診してください。
禁煙外来を上手に利用しよう
たばこにまつわる最近の話題として電子たばこがあります。電子たばこは液体を加熱させて発生させた蒸気を吸引するものですが、発売されて間もないことから、その安全性についてはまだ結論が出ていません。米国のように、電子たばこを吸ったことが原因と思われる病気で死亡者が出たことから販売禁止に動く国も出てきています。
一人で禁煙をするのが難しい場合は、禁煙外来で禁煙治療を受けるとよいでしょう。なお、禁煙についてわからないことがあるときは、薬剤師に気軽におたずねください。