低気圧が体調に影響する!?

“低気圧不調”という言葉を聞いたことはありませんか。低気圧がやってきて天気が崩れると、頭痛やだるさ、むくみなどが生じることをいいます。低気圧が定期的に通過するこの時期は低気圧不調を起こしやすいので、より一層の体調管理が必要です。

<イラストレーション>堺直子

気圧の変化が引き起こす飛行機の離着陸時の耳の痛み

「低気圧不調なんて一度も経験がない」と思っている人もいるかもしれません。でも、飛行機の離着時に耳が痛くなったことはありませんか。これも低気圧不調の一つといえます。
飛行機が地上にいるときの機内の気圧を100とすると、飛行しているときは約80にまで下がります。そのため、飛行機が上昇あるいは降下すると機内の気圧が変化し、鼓膜の内側(中耳)と外側で圧力の差ができて耳の痛みを引き起こすのです。
この場合、軽症であればガムをかむ、あくびをするなどで解消できます。あるいは、耳抜きが有効なこともあります。これは、空気を吸い込んで口を閉じ、鼻をつまんで、鼻をかむようにして空気を耳に送るという方法です。ただし、強く行うと鼓膜を傷めることがあるので注意しましょう。
機内でアルコールを飲んだら、すぐに酔ってしまうという経験もあるのでは。一説によると、気圧が低いために末梢血管が拡張し、血行が促進されてアルコールが代謝されやすいためといわれています。機内での飲酒は控えめにしましょう。

 

気圧が下がると脳血管が拡張し、三叉神経を刺激

低気圧不調の代表的なものに片頭痛があります。気圧が下がると脳血管が拡張し、脳血管の周りに張り巡らされた三叉神経を刺激するために痛みが生ずるのではないかと考えられています。片頭痛の予兆としてあくびや肩こりが現れることもあるようです。
また、気圧が下がってくるとリウマチの痛みが悪化したり、ぜんそく発作が出たりするケースもみられます。低気圧不調がある人は、天気が下り坂と予報されている日にはあまり無理をしないようにしましょう。
血管の拡張・収縮には自律神経が関わっていることから、低気圧不調の要因の一つに自律神経の乱れが指摘されています。規則正しい生活をする、十分な睡眠をとるなど、日ごろから自律神経を整えることを心がけましょう。

 

天気と体調を記録して症状発生のタイミングを知ろう

低気圧不調が現れるタイミングは、例えば雨が降る数日前だったり半日前だったりと、人によってさまざまです。まずはどういうときに発生するかを知るために、天気と自分の体調を記録することをおすすめします。どういうときに症状が出やすいかがわかれば心構えができ、それだけでも安心につながります。また、いつ鎮痛薬を飲むのがよいかもわかります。気圧グラフや気圧が下がるタイミングを知らせてくれる機能のついた「頭痛ーる」という無料アプリもあるので利用するのもよいでしょう。
なお、体調管理についてわからないことがあるときは薬剤師に気軽にご相談ください。